僕はワキガの手術を受けないと決めています。
社会人になったばかりの頃に一度本気で検討して、調べた末に「やらない」と結論を出しました。
それから今日まで、手術なしでこの体質と付き合っています。
手術を考えたきっかけは特になく、昔から雑誌の広告などで「ワキガは手術で治せる」という情報を目にしていて、社会人になって自分の給料をもらうようになったとき、「受けようと思えば受けられる」と考えるようになりました。僕の記憶では、当時の費用は保険適用外で20〜30万円ほど。毎日デオドラントを塗って、汗をかくたびに「周りにバレていないか」とビクビクする日々から解放されるなら、払えない金額ではないと思いました。
この記事では、そこまで心が動いた僕が手術をやめた理由と、手術なしでもやっていけると思えた転機を書きます。手術を受けるかどうか迷っている人の、判断材料のひとつになればうれしいです。
手術を受けないと決めた理由は3つ
一度は本気で踏み切ろうとしたのに思いとどまったのは、調べるうちに引っかかることが3つ出てきたからです。
ニオイが消える保証はないと知った
ネットで調べていくと、「手術をすれば必ずニオイが消える」とは言い切れないことがわかってきました。ワキガのニオイのもとになるのは、アポクリン腺という汗腺です。手術ではこれを取り除くのですが、取り切れずに残ってしまうと、ニオイが戻ってくることがあるそうです。
20〜30万円を払って、痛い思いをして、それでも再発する可能性がある。僕にはこれが、分の悪い賭けに見えました。
仕事を長く休む勇気がなかった
当時調べた範囲では、手術のあとは脇を固定して安静にする期間があり、体を洗うのにも制限があるようでした。細かい内容は昔の記憶なので今は違っているかもしれませんが、「数日から数週間は、まともに仕事ができないかもしれない」と受け取ったのを覚えています。
社会人になったばかりの僕に、そんなに長く休む決断はできませんでした。働きながら受けられる手術ではない。そう思った時点で、僕の中の優先順位はだいぶ下がりました。
遺伝子までは変えられない
ワキガは体質で、遺伝の影響が大きいと言われています。僕の場合も、母親が同じ体質です。
将来、家庭を持ち、子どもができたときのことを考えてしまうと。手術で僕のワキのニオイが消えても、遺伝子が変わるわけではない。子どもがこの体質を受け継ぐ可能性は、手術をしても残ります。それなら、体質を「消す」ことにお金をかけるより、体質と「うまく付き合う方法」を身につけるほうが、先々役に立つんじゃないか。そう考えました。
語弊がないように書いておくと、遺伝子ごと変えられる手術があったなら、僕は受けていたと思います。それくらい真剣に悩んだうえでの結論でした。
手術なしでやっていけると思えた転機
劇的な出来事があったわけではありません。そう思えるようになったのは、日々の対策でニオイを抑えられているという実感が少しずつ積み重なった結果です。
僕の場合、対策の柱は2つあります。毎日デオドラントを塗ることと、服のニオイに対処することです。デオドラント選びはずいぶん遠回りをしましたが、市販のデオドラントが効かなかった僕が見直したことに書いたとおり、自分に合う使い方にたどり着いてからは「今日は大丈夫」と思える日が普通になりました。あわせて、デオドラントを塗るタイミングを見直したことも大きかったです。
服のほうは、洗濯で落ちるニオイはきちんと落とし、落ちなくなった服は思い切って買い替えます。詳しいやり方は服に染みついたワキガ臭の落とし方にまとめています。
リスクを背負って手術に踏み切らなくても、この生活を続ければやっていける。汗をかくたびにビクビクしていた日々が、「今日は大丈夫」と思える日に変わっていったことが、僕にとっての転機でした。
ワキガに否定的な声との付き合い方
日本人でワキガ体質の人は、多く見ても2割ほどと言われています。少数派です。そのせいか、日常の雑談で「汗くさい人はちょっと無理」というような言葉を耳にすることは、めずらしくありません。
僕に向けられた言葉でなくても、ワキガ体質の人全体を笑うような話を聞くと、悲しい気持ちになります。これまで何度もありました。日本は世界的に見ても、ニオイに敏感な社会だと感じます。
そういうとき、僕はこう思うことにしています。「この人は、僕がワキガだと知らずに話している」。気づかれていないなら、それは対策がうまくいっている証拠でもあります。悲しさが消えるわけではありませんが、そう受け止めるようになってから、ビクビクする気持ちはだいぶ軽くなりました。
まとめ:僕は毎日の対策を選んだ
手術そのものを否定するつもりはありません。費用とリスクを自分で納得したうえで受けるなら、それもひとつの選択だと思います。
ただ僕は、保証のない賭けにお金を払うより、毎日デオドラントを塗って、服に気を配る生活を選びました。この選択に、今のところ後悔はありません。
もし迷っているなら、「仕事や生活を止められる環境はあるか」「ニオイが消えなかったときに納得できるか」を自分に聞いてみてください。答えがノーでも、心配いりません。手術をしなくても、ワキガと付き合いながら普通に暮らしていく方法はあります。このブログには、僕が30年かけて試してきたその方法を残していきます。


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