僕の背中の臭いの正体は、加齢臭ではなく「粉瘤(ふんりゅう)」という皮膚のできものでした。
気づいたのは41歳のとき。臭いの元の見当がついてからも僕は2年近く放置し、そのあいだ、洗っても洗っても一晩で臭いが戻る日々。
この記事では、臭いの元にたどり着いた経緯と、2年近く放置しているあいだに起きたことと、日帰り手術の記録を書きます。
背中の臭いの正体は「粉瘤」だった
加齢臭を疑って背中を触ったら発酵臭がした
きっかけは、ネットで読んだ加齢臭の記事でした。40代になると、いわゆる「おじさんの臭い」が出てくるという内容です。当時41歳だった僕は、自分は大丈夫かと気になって、試しに背中を指でこすってみました。すると、ワキガの臭いとはまた別の、発酵したような臭いが指先に付きました。
臭いの元は、背中の中心のしこりだった
そのまま背中を触っていくと、中心のあたりにポコッと硬い、1センチくらいのしこりがあります。そこを触った指がいちばん臭い。発生源は、明らかにこのしこり。
ネットで調べると、これは「粉瘤」というできものらしいと分かりました。皮膚の下に袋ができて、本来は垢として剥がれ落ちるはずの老廃物がたまっていくできもので、たまった中身が臭いを出すことがあるそうです。
幸い、僕のしこりは腫れても痛んでもいませんでした。調べたかぎりでは、痛みや腫れが出るのは炎症を起こした状態で、そうでなければ緊急性は低いとのこと。このときの僕は「急いで病院に行くほどではなさそうだ」と受け止めました。
洗っても、一晩で臭いが戻ってきた
僕はまず、柄の長い背中洗い専用のブラシを買って、毎晩念入りに背中を洗うようにしました。
けれど効果は、その日のうちだけ。風呂上がりに背中を触っても臭いは付かないのに、一晩たって同じところを触ると、臭いが戻っています。毎晩洗ってリセットして、翌朝また臭う。この繰り返しでした。
痛くないからと、2年近く放置しました
粉瘤は自然には治らず、取るなら手術になるらしい。調べてそこまで分かったところで、僕は放置。
理由を並べると、こうなります。
- 痛みも腫れもなく、緊急性は低いと自己判断した
- 仕事が忙しかった
- 「手術」という言葉に腰が引けた
- 毎日洗えば、臭いもそんなにひどくならないと思っていた
いちばん大きかったのは「毎日洗っているから大丈夫」という思い込みでした。
家族の「部屋着の背中が臭い」で目が覚めた
転機は家族の一言でした。「部屋着の背中のところ、臭いよ」。
自分の部屋着を嗅いでみると、ちょうど粉瘤のある位置だけが、あの発酵臭になっていました。部屋着と寝間着を兼ねていた服なので、寝ているあいだに背中とこすれて、臭いが染み込んだのだと思います。洗濯すれば一度は消えます。でも、それを着て一晩寝ると、また臭う。背中と同じことが、服でも起きていました。
ショックだったのは、服が臭いことそのものより、自分がまったく気づいていなかったことです。毎日体を洗っているから問題ない。そう思っていたのに、臭いの染みついた服を着て、家族に指摘されるまで気づかずに過ごしていました。自分では気づかないところで、周囲に不快な思いをさせていたかもしれない。ワキガと30年付き合ってきて、いちばん怖いのはこれでした。
この一言で、ようやく皮膚科に行く決心がつきました。
手術で取ったら、臭いは消えました
受診したのは皮膚科です。初診で「取りましょう」という話になり、1週間後に日帰り手術を受けました。
手術は局所麻酔で、うつ伏せのまま40分ほど。手術中の痛みはなく、執刀医の先生と「痛みはないですか」「大丈夫です」と軽く話をしながら終わりました。麻酔が切れたあとも、ほとんど痛みなし。体を切っているので全くないわけではありませんが、背中の中心は普段あまり動かさない場所のせいか、ガーゼをしっかり貼っておけば、痛みと戦うという感じではなかったです。
当日はシャワー禁止で、入浴は翌日からOK。翌日に傷の状態を診てもらいに行き、そこから2週間は、毎日傷口を清潔にしてガーゼを貼り替えました。2週間後に抜糸をして、治療はすべて終了。傷跡は、いまも残っています。費用は保険適用で7,270円でした。ただ、粉瘤の大きさによって変わるはずなので、僕のが小さめだったからこの値段で済んだのだと思います。
そして肝心の臭いです。手術のあと、Tシャツに臭いが付かなくなりました。粉瘤があった場所をこすっても、指に臭いが付きません。臭いが染みついていた部屋着も、洗濯したら臭わなくなりました。
これは僕の場合の話で、背中の臭いの原因がすべて粉瘤というわけではありません。ただ、洗い方をいくら変えても消えなかった臭いの正体が、皮膚のできものだったという実例として読んでもらえたらと思います。
背中の臭いが気になる人へ
強く押したり潰したりしないでください
僕は指でこすって臭いを確かめていました。調べたところ、粉瘤は強く押したり、中身を出そうとしたりすると、細菌が入って炎症を起こすことがあるそうです。炎症を起こすと痛みや腫れが出て、治療も大変になるとのこと。しこりがあるかどうか、そっと触れて確かめるくらいなら問題ありませんが、強く押したり潰したりするのはやめたほうがいいです。
洗っても戻る臭いは、洗い方のせいではないかも
僕は2年近く、「洗い方が足りないから臭うんだ」と思って背中を洗い続けました。でも、原因が粉瘤なら、皮膚の外からいくら洗っても袋の中身は取れません。僕の臭いは、皮膚科で取ってもらうまで消えませんでした。
終わってみれば、手術は40分と7,270円。2年も抱え込むような悩みではありませんでした。もっと早く行けばよかったというのが、いま振り返っての実感です。同じように「洗っても一晩で戻る臭い」に心当たりがある人に、この記録が届けばと思います。
まとめ
背中の臭いの原因は、僕の場合は加齢臭ではなく粉瘤でした。2年近くどう洗っても消えなかった臭いが、日帰り手術ひとつでなくなりました。
体の臭いは、自分がいちばん気づけません。ワキガと30年付き合ってきた僕の対策の結論は、別の記事にまとめています。

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